第一部
Ⅰ.ホール経営を取り巻く現状の分析と今後の見通し
昨年の広告規制以降、イベントや販促がしづらい環境の中で、
他店との営業面での違い(差別化要素)として機能していたイベント、
販促による繁盛感や煽りの演出ができなく(グレーは可能という見方はありますが)なりました。
このため、他店との違いをお客様に見せることがしづらいことの結果として、
話題機や新台の大量導入をはじめとした、わかりやすい設置台数という要素が
お客様に響きやすい状況が生まれています。
このような状況を池袋エリアにおける台数シェアと客数シェアの相関関係のデータを
用いてご説明申し上げました。
また、このような環境のなかで、ホール経営企業として、
競争に負けない設置台数を考えて行くことと、
今まで以上に他店との差別的優位性の構築が必要である旨のお話しと具体策に
ついてご提案させていただきました。
Ⅱ.今後のホール経営のために必要となる経営のヒント
4円パチンコをはじめとして、劇的に稼働や業績を向上させづらくなっている
今日の状況において、リニューアル等の投資における失敗は致命的となります。
また、ホール経営企業としましては、規模の経済を効かせるために
多店舗展開を積極化する傾向も見受けられますが、
ホール経営においては共有コストが占める割合が低いために、
想像以上に規模の経済が働かないことと、
むしろ一店舗、一店舗を強化することがホール経営の要諦であることをお話し致しました。
このようなことから、投資の失敗リスクを減らすことと一店舗、
一店舗への投資配分を適性化するためには、一店舗、一店舗にいかに経営資源を配分して、
ホール経営企業全体として利益が最大化するような戦略的な思考が
より重要となっている旨のお話しをさせていただきました。
この問題に対する弊社なりのご提案を店舗ポートフォリオ分析という
弊社サービスを用いて解説させていただきました。
第二部
今後のホール営業のために必要となる営業のヒント
なかなか業績をあげづらい状況の中で、
営業戦略・営業戦術を考えていただくことにあたりまして、
お役に立てる考え方としまして、ポジショニング戦略の基礎的なお話しを
させていただきました。
一番店は全方位型の展開を心掛けることと二番店以下の長所の包み込み等を通じて、
一番店シェアを維持・拡大していただくことをご説明申し上げました。
また、一番店が市場規模を作り上げますので、
エリアの客数の動向を注視しながら施策を考えるべきこともお話しさせていただきました。
一番店だけでなく、二番店の考え方、三番店以下の考え方もお話しさせていただきました。
さらに他店との差別的優位性を構築するためのヒントとして、
差別的優位性のパターンをいくつか例示させていただきました。
ハード面だけでなく、ソフト面でも可能ですし、
従来からの思考の枠に囚われずに柔軟に考えていくことがポイントです。
また、差別的優位性を構築するだけでなく、
その差別的優位性の要素をお客様にいかにプロモートしていくかということと、
他店との違いを明確に感じていただくことの重要性について、
お話しさせていただきました。