2021/9/13号:アパホテルのシェアアップのシナリオ作りは戦略の教科書通り

  すでに弊社の研究会をはじめ、さまざまな場面でお伝えしておりますが、

ビジネスホテルのアパホテルが全国シェア20%を目標にシェアアップの

戦略的なシナリオを作り、着々とシナリオ通りに進めております。

 

  評価すべきは、ただシェアが上がっている事実ではなく、シェアアップの

前提となる業界環境の変化に対する競合の動きをはじめとした業界動向が、

東京オリンピックが2020年に開催することが決定した時点で想定した通りに

動いていて、むしろコロナ禍の影響で前倒しで動いている事実です。

 

  アパホテルのシェアアップのシナリオのうちのひとつが、新規参入組みの

脱落によるシェアの吸収です。

 

  今回はこちらをご紹介します。

 

  東京オリンピックの開催が決定した途端に、首都圏をはじめとしたホテルの

新設ラッシュが始まりました。

 

  オリンピックに伴うインバウンド需要を期待しての動きですが、当然ながら

明確な需要ですので、土地の値段も上がりましたし、旺盛な建設需要に伴い

建設コストも上がりました。

 

  特に新規参入組みは相場がわかりませんし、ローコストにホテルを作るノウハウも

不足していますので、高いコストでホテルを作ることになります。

 

  皆さんもご存知の通りに、ビジネスホテルも固定費比率が高いビジネスで

高稼働状態でないと儲かりません。

 

  したがいまして、高いコストでホテルを作った新規参入組みの企業が低稼働状態に

追い込まれれば、脱落してホテルを売却せざるを得ない事態が想定できます。

 

  もちろん、コロナ禍はアパホテルといえども予測できませんでしたが、

東京オリンピックが終了直後はいったん稼働が低くなりますので、

そのタイミングで低価格競争に持ち込めれば、新規参入組みを低稼働状態に

追い込むことが可能です。

 

  実際にはコロナ禍の影響も加わっておりますので、さらに深刻な低稼働状態と

なっておりますが、アパホテル自体はあらゆるエリアで一泊3,000円台での

低価格競争を現在も仕掛けていまして、低稼働状態に追い込まれた新規参入組みの

ホテルを着々と買収しています。

 

  もちろん、追い込まれてからの売却は割安な価格で入手が可能ということと

なりますので、自らホテルを新設するよりもローコストにホテルを開業できる

ことになります。

 

  驚くべきは、一泊3,000円台でも利益が出せる工夫をしており、

例えばビジネス客をターゲットに会員化を推し進めておりまして、

自社サイトで直接に予約させることによりまして、楽天トラベルのような

予約サイトに支払う手数料を削減しています。

 

  手数料の分は、予約サイトに集客を頼らざるを得ない新規参入に対する

低価格競争での競争力を持ち合わせています。

 

  他にもシェアアップのシナリオ作りの秀逸さの要素がありますが、

今回お伝えしただけでも、戦略的なシェアアップのシナリオ作りの

重要さをイメージしていだだけるかと思います。

 

  パチンコ店ビジネスも大きな環境変化の最中にありますので、

チェーン店としてのシェアアップのシナリオ作りの重要性を

お伝えしながら具体的なご支援を弊社も展開しておりますが、

アパホテルのような先を読んだ、シェアアップのシナリオを

作ることは効果的な取り組みであるものと考えております。

 

  今回の視点が、読者のチェーン店様のお役に立てましたら幸いです。

 

 

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チェーン店様が成長する過程で必ず抱えるニーズに万全な体制でサポート致します

 

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